(6月26日・サントリーホール)
なんという演奏!なんという才能!これほど磨き抜かれて美しいショスタコーヴィチを聴いたことはかつてなかった。悲劇性や諧謔など作曲家が意図したことは表現されたうえで、細部まで「美」が輝く!
26歳にして、このような指揮を聴かせるとは!指揮者でここまでオーケストラが変貌するのか、驚きを超越するものがあった。都響が全く別のオーケストラになったようだった。
心底から幸福感と充実感を味わうコンサートは本当に久しぶり。
ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団のベートーヴェン交響曲ツィクルス、同じ組み合わせによるマーラー「交響曲第9番」以来かもしれない。
書きたいことは山ほどあるのだが、こういう時に限って、「音楽の友」のコンサート・レヴュー(600字)しか書けないとは!自分一人のために、ひそかに書き留めるほかない。
プログラム:
サウリ・ジノヴィエフ:バッテリア(2016)[日本初演]
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 op.60《レニングラード》
コンサートマスター:矢部達哉
ご参考までに、マケラがhr交響楽団(旧フランクフルト放送響)を指揮した《レニングラード》のyoutube↓を貼ります。今日の演奏の一端は伝わってきます。
(166) Schostakowitsch: 7. Sinfonie (»Leningrader«) ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Klaus Mäkelä - YouTube
写真©都響