マルティン・ガルシア・ガルシア 協奏曲の夕べ 北原幸男指揮 東京21世紀管弦楽団
(6月7日・東京芸術劇場)ショパン・コンクール第3位入賞、コンチェルト賞も受賞したマルティン・ガルシア・ガルシアの協奏曲の夕べ。今年初めに予定された入賞者コンサートがコロナのため中止となり、聴けなかった人が駆けつけ、また先日のオペラシティでのリサイタルの評判となり、チケットは完売。会場は満席だった。...
View Articleシャルル・デュトワ指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 創立50周年特別演奏会(6月9日)
(6月9日・東京芸術劇場)超一流の指揮者が振るとオーケストラがいかに変貌するかを実感。これぞフランス音楽の精髄とも言うべき凄演。詳しくは「音楽の友」8月号に、6月14日すみだトリフォニーホールでのバーバー、ショスタコーヴィチ、チャイコフスキーとともにレポートします。 プログラム:フォーレ「組曲《ペレアスとメリザンド》」ラヴェル:ピアノ協奏曲...
View Articleプレトニョフ 東京フィル シチェドリン「カルメン組曲」 チャイコフスキー「白鳥の湖」
(6月8日・サントリーホール)シチェドリンの「カルメン組曲」を聴くのは二回目。2020年2月8日井上道義指揮神奈川フィルの演奏で全13曲のうち、4曲をカット、3曲を部分カットしたバージョンで聴いたことがある。...
View Article飯守泰次郎 東京シティ・フィル シューマン交響曲全曲演奏シリーズII
(6月11日・東京オペラシティ)昨年12月9日の第1回(第1番&第2番)は余りにも素晴らしく、『これを聴かずしてクラシック・ファンと言うなかれ!』という過激な言葉でブログを締めた。超名演!! 飯守泰次郎 東京シティ・フィル【シューマン交響曲全曲演奏シリーズⅠ】 | ベイのコンサート日記 (ameblo.jp)...
View Articleすぎやまなおき指揮 日独友好協会シンフォニッシェ・アカデミー 前田妃奈(ヴァイオリン)
(6月10日・杉並公会堂大ホール)「日独友好協会シンフォニッシェ・アカデミー」は、ドイツ、オーストリアなどの音大に留学し、現地でオーケストラに入団したり、現在フリーとして活動する奏者たちにより2000年に結成された。 年に4回ほどコンサートを開催しており、この後は9月15日と12月9日に三鷹市芸術文化センター風のホール、11月2日川口総合文化センターリリア音楽ホールでの公演が予定されている。...
View Article小泉和裕 都響 メンデルスゾーン≪宗教改革≫ ベートーヴェン≪英雄≫
(6月13日・東京文化会館大ホール)メンデルスゾーン「交響曲第5番≪宗教改革≫」もベートーヴェン「交響曲第3番≪英雄≫」も16型。コンサートマスターは矢部達哉。いずれも、重厚で真摯、誠実な演奏。時代の流行には目もくれず、我が道を一直線に突き進む小泉和裕の真骨頂とも言うべき熱演。ただ、ドキドキ、ワクワクとする高揚感、こういう側面があったのかという驚きは少ない。...
View Articleヴァイグレ 読響 ガルシア・ガルシア (6月16日・サントリーホール)
(6月16日・サントリーホール)ヴァイグレと読響、両者の結びつきがますます堅固となっていることを感じたコンサート。2019年5月14日読響常任指揮者就任記念公演のあとの記者懇親会で、「最新型のベンツがアウトバーンを滑らかに疾走するような演奏でしたね」とご本人に言ったら「いいこと言うね。その通りだよ」と喜んでくれたが、今夜のドヴォルザーク「交響曲第8番」もまさにそうした名演だった。...
View Articleエベーヌ弦楽四重奏団 CLASSIC+JAZZ プログラム(6月17日・紀尾井ホール)
モーツアルト「弦楽四重奏曲第14番K.387《春》」第4楽章のフーガは驚くべき完成度。四人の結びつきが文字通り有機的で、常に最高のバランスで演奏が進んでいく。弱音での針に糸を通すような、言い換えれば、解像度を極限まで高めた画像のような、正確無比の演奏が圧巻。...
View Article50年ぶりの定期登場 秋山和慶 日本フィル 小川典子(ピアノ) (6月18日・サントリーホール)
秋山和慶が日本フィルの定期演奏会に50年ぶりに登場。コンサートマスターは前半が田野倉雅秋、後半は木野雅之が務めた。ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」は秋山流。淡い色彩感とは少し異なる演奏だが、すっきりとして構造や響きが明解。フルート真鍋恵子、ホルン信末碩才、オーボエ杉原由希子が見事なソロ。...
View Article「音楽の友」7月号発売。 執筆記事はマルタ・アルゲリッチ(ピアノ)水戸室内管と共演 他です
「音楽の友」7月号が発売されました。執筆した記事は、[カラーレポート]「マルタ・アルゲリッチ(p)、水戸室内管弦楽団と共演」 14p[特集II]全国夏秋の音楽祭ガイド2022 「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2022」 95p[コンサート・レヴュー]① 東京都交響楽団(大野和士指揮、マーラー交響曲第5番他4/28@東京芸術劇場)164p②...
View Article調布国際音楽祭2022 小林愛実ピアノ・リサイタル (6月21日・調布市グリーンホール)
前半のバッハ「パルティータ第2番シンフォニア」、シューベルト「ピアノ・ソナタ第19番」よりも、後半のショパン「24の前奏曲」が情報量の多さで圧倒的に素晴らしかった。CDを発売したばかりで、演奏が練り上げられていることもあるのだろう。24曲それぞれの掘り下げが深い。 特に素晴らしかったのはこれらの曲。第13番嬰ヘ長調、中間部の甘さを抑えた落ち着いた表情。...
View Articleヴァイグレ 読響 ブルックナー「交響曲第7番」 シュテファン「管弦楽のための音楽」
(6月21日・サントリーホール)ヴァイグレのブルックナー「交響曲第7番」。どこまでも明快で切れがいい。弦楽器も金管も音が研ぎ澄まされ、濁りがない。 第2楽章の弦は特に清透で澄みきっていた。シンバルとトライアングルが鳴り響くクライマックスもくっきりと見通しが良い。コーダのワーグナーテューバのハーモニーが柔らかく繊細に鳴らされる。...
View Articleさくらんぼコンサート2022 阪哲朗 山形交響楽団 神尾真由子(ヴァイオリン)
(6月22日・東京オペラシティコンサートホール)山形交響楽団創立50周年記念特別演奏会、さくらんぼコンサート2022東京公演。昨年はコロナ禍で中止だったロビーでの物販も復活。今年もプログラムのさくらんぼの抽選に当たらず、朝採れのさくらんぼを1パック買うことに。山形出身の友人はしっかりゲットしていたので、同県人は何か相通ずるものがあるのでは?...
View Articleカルテット・アマービレ BRAHMS Plus III (6月24日・白寿ホール)
世界の音楽コンクールの中でも最難関として知られるARDミュンヘン国際音楽コンクール。その弦楽四重奏部門で、東京クヮルテット、ウェールズ弦楽四重奏団に次いで日本の団体としては三団体目の入賞(第3位)という快挙を2016年に成し遂げたカルテット・アマービレ。 今日は2019年に始まった白寿ホールの室内楽シリーズ「BRAHMS...
View Articleなんという才能! マケラ 都響 ショスタコーヴィチ「交響曲第7番《レニングラード》」
(6月26日・サントリーホール)なんという演奏!なんという才能!これほど磨き抜かれて美しいショスタコーヴィチを聴いたことはかつてなかった。悲劇性や諧謔など作曲家が意図したことは表現されたうえで、細部まで「美」が輝く!26歳にして、このような指揮を聴かせるとは!指揮者でここまでオーケストラが変貌するのか、驚きを超越するものがあった。都響が全く別のオーケストラになったようだった。...
View Article調布国際音楽祭2022フェスティバル・ガラ「名手たちの室内楽」
調布国際音楽祭2022フェスティバル・ガラ「名手たちの室内楽」〜ブラームス:ホルン・トリオと管楽器のための名曲たち〜(6月23日・調布市グリーンホール 大ホール) 出演:白井圭(ヴァイオリン)、山本徹(チェロ)、上野星矢(フルート)、荒木奏美(オーボエ)、福川伸陽(ホルン)、河村尚子(ピアノ)、森下唯(ピアノ)「フェスティバル・ガラ」のタイトルにふさわしいスター奏者が勢ぞろいしたコンサート。...
View Articleフランソワ=グザヴィエ・ロト ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 樫本大進(vn)
(7月2日・ミューザ川崎シンフォニーホール)海外のオーケストラを聴くのは2020年1月のサロネン、フィルハーモニア管弦楽団以来。同年11月のウィーン・フィルは体調不良で聞き逃した。昨年、現代音楽のグループ、アンサンブル・アンテルコンタンポランは聴いたが、オーケストラではなかった。...
View Article衝撃のブルックナー! ロト ケルン・ギュルツェニヒ管 《ロマンティック》(1874年第1稿)
(7月3日・東京オペラシティ)2日続けてロトの指揮に圧倒される。今日はさらに凄かった。ブルックナー「交響曲第4番《ロマンティック》」1874年第1稿の真価を徹底的に味わわせてくれた。 通常演奏される第2稿に較べて、未完成で混乱の極みのように聞こえるが、ロトがインタビューで語った『実験的でラディカルな響きに満ち妥協がない。より美しい第2稿よりもずっと魅力的である』ことを実感した。...
View Article阪田知樹(ピアノ) 巡礼の旅 第3回 ベートーヴェンとリストの『英雄』(6月30日白寿ホール)
(6月30日・白寿ホール)リストとリストが編曲したベートーヴェンの交響曲を組み合わせる阪田知樹の白寿ホールでのシリーズ第3回目。阪田の超ヴィルトゥオーゾの演奏を聴いていると、リスト本人もこんな演奏で聴く人の度肝を抜いたのだろうなと想像できた。...
View Articleアレクサンダー・ガジェヴ ピアノ・リサイタル(6月29日・東京オペラシティ)
(6月29日・東京オペラシティコンサートホール)2021年ショパン国際ピアノ・コンクール第2位およびソナタ最優秀演奏賞のアレクサンダー・ガジェヴのリサイタル。オペラシティは完全に満席。ここまで空席のない光景は4年前の別府アルゲリッチ音楽祭東京公演以来だろうか。ショパン国際コンクールの影響力の大きさを思い知らされる。...
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