(2月27日・東京芸術劇場)
石﨑真弥奈は2017年ニーノ・ロータ国際指揮者コンクールで優勝(ニーノ・ロータ賞)および聴衆賞。2012年第16回東京国際指揮者コンクールで入選、聴衆賞も受賞。田中祐子も同じ時に入選している。この年は第1位から第3位までなかった。すでに日本各地のプロオーケストラをかなり指揮しており、オペラも指揮している。
石﨑の指揮はこれまで聴いたことがなかった。一度聴いただけで彼女の力量を判断するのは早計だし、「音楽の友」5月号にレポートするので、ここでは感じたことを短く書きたい。
今日は日本フィルに対し多少遠慮があったのか、リハーサル時間が少なく慎重に運んだのか、メイン曲のチャイコフスキー「交響曲第6番《悲愴》」はあまり攻め込まず安全な指揮のように感じた。
しかし、ファゴットの最弱奏から突然爆発が起こる第1楽章展開部は日本フィルから力強い緻密な響きを引き出した。終楽章のタムタム(銅鑼)をしっかりと鳴らした後の絶望の底に沈んでいくような低弦も重厚だった。
土台がしっかりとしている印象なので、指揮の経験が増えるに従いまだまだ進化していくと思う。
グリーグ「ピアノ協奏曲」を弾いた秋山紗穂は2019年の第17回東京音楽コンクールピアノ部門第1位および聴衆賞を受賞しているが、この時の演奏を聴いていた。
ブログには『難曲プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番をミスなく弾きとおし敢闘賞だと思うけれど、演奏はそれほど心に響いてこなかった』と辛口を書いていた。
第17回東京音楽コンクール 本選 ピアノ部門 | ベイのコンサート日記 (ameblo.jp)
5年ぶりに聴く演奏は最強音から最弱音までデュナーミクも広くなり、表情が豊かで、冒頭からたくましい音で弾いていく。第2楽章は抒情的で高音はきらめきがあった。終楽章のカデンツァもスケールが大きい。今後も注目していきたいピアニストだ。
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