比類なき名演 バーメルト札響、ボストリッジ&アレグリーニ ブリテンとブルックナー
ブリテン「セレナード~テノール、ホルンと弦楽のための」は、イアン・ボストリッジのホールの隅々まで響き渡る威厳に満ちた声と、遠くの世界から呼びかけるように響くアレッシオ・アレグリーニの暗い音色のホルン、そこに繊細かつ鋭いバーメルト札響の弦が加わる。比類なき名演。...
View Article井上道義 N響 ショスタコーヴィチ「交響曲第13番《バビ・ヤール》」他(2月3日・NHKホール)
今年末で引退する井上道義の最後のN響定期登場。定期以外では、6/29サントリーホール、6/30フェスティバルホールで、服部百音とショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、第2番で共演する。 今日のメインはショスタコーヴィチだが、冒頭にヨハン・シュトラウスII世/ポルカ「クラップフェンの森で」作品336 が置かれた。その意図は次のショスタコーヴィチ/舞台管弦楽のための組曲...
View Article山田和樹 読響 上野耕平(サクソフォン) グラズノフ ハイドン カプースチン ラヴェル
(2月3日・東京芸術劇場)3月末で6年間務めた読響首席客演指揮者を退任する山田和樹。2月は古典派から現代音楽まで実に幅広いレパートリーからなる3種類のプログラムで読響との5回の演奏会に臨む。この日はその初日。ワルツが最初と最後に入る多彩な曲で構成された。 グラズノフ:演奏会用ワルツ第1番 ニ長調...
View Article小澤征爾氏追悼となった武満徹「ノヴェンバー・ステップス」とベートーヴェン「交響曲第2番」
昨日サントリーホールでの読響公演で、小澤征爾さんの訃報を山田和樹さんの口から聞き、大きな喪失感がありました。しかもそのあと、演奏された曲が、小澤さんがニューヨーク・フィルを指揮して世界初演した武満徹「ノヴェンバー・ステップス」と、同日演奏されたベートーヴェン「交響曲第2番」という奇遇。...
View Articleクァルテット・インテグラ ハイドン、ゾーン、ベートーヴェン(2月8日・白寿ホール)
クァルテット・インテグラは第71回ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第2位&聴衆賞受賞。バルトーク国際コンクール弦楽四重奏部門第1位など、今最も勢いのあるクァルテットのひとつだ。マネジメントもジャパンアーツとなり、活動の場が今後更に広がるだろう。2018年から4年間サントリーホール室内楽アカデミーに在籍し、現在ロサンゼルスのコルバーン・スクールにレジデンス・アーティストとして在籍している。...
View Articleジェラール・プーレ 川島余里 サロン・ヨリネット第9回コンサート
世界的ヴァイオリニストで偉大な教育者ジェラール・プーレと、彼と長くデュオを組む川島余里のサロン・コンサート。収益はすべて能登半島地震災害支援に寄付される。会場は川島さんのご自宅の音楽室。 2月と言うことでプログラムは全て第2番のヴァイオリン・ソナタが選ばれた。...
View Article山田和樹 シモーネ・ラムスマ 読響 (2月13日・サントリーホール)
山田和樹の魅力は採れたてのオレンジを絞ったようなフレッシュさにある。そのことを小澤征爾さんの追悼コンサートになった2月9日の武満徹「ノヴェンバー・ステップス」他が演奏された日に実感した。 今日の1曲目...
View Articleパブロ・エラス・カサド指揮 N響 アウグスティン・ハーデリヒ(ヴァイオリン)
(2月15日・サントリーホール)新時代を告げる指揮者パブロ・エラス・カサドとヴァイオリニストのアウグスティン・ハーデリヒが登場。N響は持てる力をフルに発揮。全ての演奏がハイスペック(最高品質)で、隅々まで明解で解像度が抜群。アウグスティン・ハーデリヒの演奏は弱音から強音まで、繊細で強靭さも秘めている。ただ美しいのではなく、深い詩情を湛えている。...
View Articleアウグスティン・ハーデリヒ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル(2月18日・紀尾井ホール)
2月15日パブロ・エラス・カサドN響とのプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第2番」の新鮮で深い解釈で驚かせたアウグスティン・ハーデリヒの無伴奏リサイタル。...
View Article「音楽の友」3月号 特集・初演200年記念「聴いて・知って・歌って・味わう《第九》のこころ」
「音楽の友」3月号が発売されました。特集は初演200年記念、「聴いて・知って・歌って・味わう《第九》のこころ」。昨年末の《第九》レポート、作品解説や歴史、また誌上合唱レッスンから、至高の名盤ガイドまで、初演200年を祝うにふさわしい充実の内容です。...
View Article前田朋子ヴァイオリン・リサイタル(2月17日・横浜みなとみらい小ホール)
2月23日にブラームス「ヴァイオリン・ソナタ全曲」CDをグラモーラレーベルから発売する前田朋子のCD発売記念リサイタル。日本での販売はナクソスが担当する。ちなみにこのCDはモーツァルト「後期ヴァイオリン・ソナタ集」と同じく、ヴァイオリンとピアノを前田一人が担当する多重録音。...
View Articleインバル都響 マーラー:交響曲第10番(デリック・クック補筆版) (2月22日・東京芸術劇場)
【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版) 2014年7月20日に聴いた同じ曲目のコンサート。10年前の感動は、しかし今日は感じられなかった。インバル 都響 マーラー:交響曲第10番 | ベイのコンサート日記 (ameblo.jp)...
View Articleチョン・ミョンフン指揮東京フィル《田園》《春の祭典》(2月22日・サントリーホール)
何と温かく人間的なベートーヴェン「交響曲第6番《田園》」だったことか! 第3楽章「田舎の人々による愉快な集い」から第4楽章「雷、嵐」、第5楽章「牧歌、嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」が特に素晴らしかった。 第3楽章は生き生きとした踊りの表情が、第4楽章は初演当時アンデア・ウィーン劇場に集った人々の驚きを体感するような激しい衝撃があった。終楽章コーダ237小節目sotto...
View Articleシューマン室内楽マラソンコンサート 国際音楽祭NIPPON2024(2月23日東京オペラシティ)
豪華な出演者によるシューマンの室内楽を一挙に聴く贅沢なコンサート。フェスティバルならではの初組み合わせもあり、リハーサル時間が限られているとは言え出演者のレベルが高く、素晴らしい演奏が多かった。 傑出していたのは、チェロのイェンス=ペーター・マインツとヴァイオリンのベンジャミン・シュミットそしてピアノの阪田知樹。...
View Articleしらかわホール最後の2日間 愛知室内オーケストラ、阪田知樹
1994年、名古屋の中心部に開場したクラシック専用ホール「三井住友海上しらかわホール」(約700名収容)が、経営状況や維持管理費の問題のため30年という歴史に幕を下ろし、2月29日で閉館となった。 「音楽の友」5月号掲載予定の記事のため名古屋に行き、その最後の2日間のコンサートを取材した。28日は山下一史指揮愛知室内オーケストラ。29日は阪田知樹のピアノ・リサイタル。...
View Articleピエール・ブリューズ 東京交響楽団 MINAMI(吉田南) 名曲全集(第195回)@ミューザ川崎
(3月2日・ミューザ川崎シンフォニーホール)ミューザ川崎へ来たのは今年初めて。東京交響楽団が新国立劇場の《エウゲニー・オネーギン》でピットに入るなど、ミューザでの公演が少なかったためだと思う。ホール関係者のみなさんに「本年もよろしくお願いいたします」と3ヶ月遅れで年頭のあいさつを交わした。...
View Articleしらかわホール 閉鎖のニュース
しらかわホールの閉鎖を伝える名古屋のCBC(中部日本放送)制作のニュースがTBS NEWS DIGにアップされました。最後のコンサートとなった阪田知樹さんの演奏の一部とインタビューも入っています。素晴らしい音響のホールの再開を心より願っています。下をクリックしてご覧ください↓「何とか続ける方法はないのか…」音響の素晴らしさ誇る「しらかわホール」が30年の歴史に幕...
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