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Channel: ベイのコンサート日記
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ヴァッシリキ・カラヤンニ ソプラノ・リサイタル

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128日、武蔵野市民文化会館小ホール)

 ギリシャ出身のコロラトゥーラ・ソプラノ、ヴァッシリキ・カラヤンニの日本での初リサイタル。ギリシャ国立歌劇場の専属歌手で、ミラノ・スカラ座(2012年)と英ロイヤル・オペラでの「ホフマン物語」オランピア役でデビューという経歴がある。
 コンディションは万全ではなかった。前半は硬く音程も不安定。最後のベッリーニ「私はかわいい乙女」(「清教徒」)でやっとほぐれてきた。声量と強靭さ、ドラマティックな歌唱力があるのは伝わって来る。

 後半1曲目、サン=サーンスの歌詞無しの「ナイチンゲールとばら」は高い音まで出て実力を見せ、次の難曲トマの「私も仲間に入れてください」(「ハムレット」)でのオフィーリア狂乱の場は強靭なコロラトゥーラの迫力があった。
 ヴェルディ「不思議だわ~花から花へ」では拍手が一番大きかったが、最も知られた曲ということでもあり、カラヤンニの歌唱そのものは柔軟さがなかった。

 最後に、映画「日曜はダメよ」の音楽を作曲したギリシャの作曲家ハジダキスの「夢の道」(「日曜はダメよ」と同じメロディー)が歌われた。

 アンコールは日本の歌、越谷達之助作曲石川啄木作詞「初恋」とギリシャ歌曲「Glatos

だった。カラヤンニの歌唱は鋭角的でフレーズが一本調子になりがちなところがあり、滑らかさが感じられないが、デビューで成功したモーツァルトの「夜の女王」のアリアなどはぴったりかもしれない。
 ピアノは斎藤雅弘。


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