(8月23日・サントリーホール)
8/18エミリア・ホーヴィング読響、8/20ペトル・ポペルカ東響、そして今日8/23ユライ・ヴァルチュハ読響と名演が続き、8月は若手指揮者のスーパー・スターがそろい踏みの信じられないような月だった。
詳しくは「音楽の友」のコンサート・レヴューに書くので、詳細は控えるが、今日のヴァルチュハの緻密でダイナミックな指揮を聴いていて、「音楽の友」5月号で日本フィルの首席トランペット、オッタビアーノ・クリストーフォリにインタビューしたさい、彼が言った言葉を思い出した。
それは『マーラーを指揮するとき、指揮者はパティシェ(洋菓子をつくる職人)でないといけない。料理は自分の感覚で作る部分がありますが、ケーキはグラムまで分量をしっかり測って作らないといけない。サイエンス。マーラーはそれを全部書いている』というもの。
今日のヴァルチュハはまさにグラム単位まで正確に計算したような、隙の無い完璧なマーラーだった。同時に生き生きとした流れや、感動的な盛り上がりもあり、
『生きていてよかった!』と思える忘れがたい公演になった。
クラウス・マケラ&都響のショスタコーヴィチ「交響曲第7番《レニングラード》」と並ぶ上半期ナンバーワンのコンサートだった。
8月27日(土)、28日(日)、各14時、東京芸術劇場での読響とのブラームス「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノ:河村尚子)とメンデルスゾーン「交響曲第3番《スコットランド》」というドイツ・ロマン派作品で、どういう指揮を聴かせるのか、このコンサートも聴き逃せない。