ジャナンドレア・ノセダ(指揮)、ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)
プロコフィエフ「交響組曲《3つのオレンジへの恋》」
「ピアノ協奏曲 第2番」
カゼッラ「歌劇《蛇女》からの交響的断章」(日本初演)
6月のN響はジャナンドレア・ノセダ月間。
昨夜も得意とするロシア音楽と、ノセダが一押しするイタリアの作曲家カゼッラの日本初演のプログラムが素晴らしかった。
2015年N響で聴いた時の印象を改めて実感。
そのさいはこう書いていた。
『音に説得力があると言ったらいいだろうか。音楽で聴くものを説得し屈服させるだけの力強さがそこにはこめられていた。劇的な表情づけのうまさ、クライマックスへ持っていく運び方など、オペラ指揮者として身に付けたものが「展覧会の絵」でも発揮されていた』
プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番を弾いたベフゾド・アブドゥライモフを聴くのは、2012年ウルバンスキ東響、2017年シモーネ・ヤング読響に次いで三度目。
『フォルティシモからピアニッシモまで、ダイナミックの幅が大きいだけではなく、どれだけ強く弾いても音に気品があり、響きの美しさが保たれている。 テクニックはもちろん、音楽全体の流れと構成が完全にできており、弱音での細やかな表現力や自然なルバートが素晴らしい』と書いた印象は基本的には今回も同じ。巨匠への道を歩むように進化しており、全体的にさらにスケールが大きくなり、表現も深まっていた。
詳しくは「音楽の友」コンサート・レヴューに書きます。
今日6月11日14時からもNHKホールで同じプログラムで演奏される。あいにくの雨だが、行く価値のあるコンサートだと思う。