飯守泰次郎 東京シティ・フィル ブルックナー:交響曲9番、テ・デウム
(7月5日、東京オペラシティ・コンサートホール) 飯守泰次郎が2012年東京シティ・フィル桂冠名誉指揮者就任以来、第4番から毎年続けたブルックナー交響曲ツィクルス最終回。飯守の考えで、第9番第3楽章アダージョが最後にくるよう、「テ・デウム」が先に演奏された。...
View Articleジョナサン・ノット 東京交響楽団 ブルックナー:交響曲第8番
(7月16日、サントリーホール) 鋭く切り立つようなブルックナーだった。スマートで知的で繊細、冷静な運びの中にも、熱く吹き上がってくるものを感じる。ノットのブルックナーは、主観(演奏への熱意、感情)と、客観(楽曲のつかみ、楽員の能力の見極め)が、ぶつかり合い、せめぎ合いながら進んで行くようで、次に何が起きるのだろうか、というスリリングなものを感じさせる。...
View Articleチョン・ミョンフン 東京フィル チャイコフスキー・プログラム
(7月27日、ミューザ川崎シンフォニーホール) フェスタサマーミューザのコンサート。チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団。ヴァイオリンはクララ=ジュミ・カン。...
View Article小泉和裕 東京都交響楽団 ベートーヴェンとブラームスの交響曲第2番
(7月31日、ミューザ川崎シンフォニーホール) ベートーヴェンとブラームスの交響曲第2番。ともにニ長調という明るい曲調を集めたフェスタサマーミューザのコンサート。水準以上の演奏であり、どこにも欠点らしいものはない。よく流れ、アンサンブルもバランスがとれ、無理がない。おだやかで、活気もある。この2曲にふさわしい演奏であり、客席もブラヴォがとぶなど、沸いた。...
View Articleマエストロの白熱教室2016 指揮者・広上淳一の音楽道場
(7月24日フィリアホール) 広上淳一が、東京音楽大学の指揮科学生たちに対して行っている授業を、そのまま舞台で公開する、ユニークなイベントに行く。 公開レッスンで知ったことはつぎの点。1. やはりオーケストラには指揮者がどうしても必要。個々の奏者は自分のパートの譜面しか見られず、自分で音楽の方向性を決められない。2....
View Article川瀬賢太郎 神奈川フィルハーモニー管弦楽団「モーツァルトへのオマージュ」
(8月5日、ミューザ川崎シンフォニーホール) 川瀬賢太郎が常任指揮者を務める神奈川フィルとの演奏を初めて聴く。川瀬は、これまでも東京フィルや母校東京音大のオーケストラで聴いてきたが、すごく才能のある指揮者だということを改めて確認した。...
View Article中桐 望ピアノ・リサイタル
(8月7日、尾上邸音楽室) 音楽ネットワーク「えん」主催のサロン・コンサート。中桐 望(なかぎりのぞみ)は、2012年浜松国際ピアノ・コンクールで歴代日本人最高位第2位。昨年1月にオクタヴィアレコードから「ショパン&ラフマニノフ」を発売している。 中桐...
View Articleヘルヴァシオ・タラゴナ・ヴァリCD ALONE & TOGETHER レビュー
兵庫芸術文化センター管弦楽団(兵庫PACオーケストラ)のクラリネット奏者、ヘルヴァシオ・タラゴナ・ヴァリ(Gervasio Tarragona Valli)が、同郷ウルグアイのモンテヴィデオ出身のピアニスト、ヤヴィエル・ベザート(Javier Bezzato)と組んで制作したアルバム、「アローン・アンド・トゥゲザー」を聴く。ヘルヴァシオからぜひ聴いて感想を聞かせてほしいと預かったもの。...
View Articleディオティマ弦楽四重奏団(8月27・28日 吉祥寺シアター)
ディオティマ弦楽四重奏団は、ブーレーズが作曲者の意図通りの演奏は不可能だと考えていた『弦楽四重奏曲のための書』を、本人とディスカッションを繰り返し、ついに五度目の改訂に踏み込ませた。ブーレーズもこの改訂に満足し、絶賛した。二度の公演では、そのうちIIIa,IIIb,IIIc,Vを初日に、VIを二日目に聴くことができた。...
View Articleアジアユースオーケストラ 2日目
(8月30日 東京文化会館) 同じオーケストラでも指揮者によって大きく変わることを1日にして知る。昨日ジェームズ・ジャッドと忘れられない演奏を聴かせてくれたアジアユースオーケストラを、今日は芸術監督のリチャード・パンチャスが指揮したが、正直面白くない演奏になってしまった。...
View Articleパーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」
(9月8日NHKホール)「巨人」「復活」で忘れがたい名演奏を聴かせてくれたヤルヴィとN響だが、今回の「千人の交響曲」は、見事にコントロールされたオーケストラの精度と合唱のまとまりの良さには感心したものの、感動という段階まで至らなかったのは、曲の性格のためか、演奏の内容なのか。...
View Article上岡敏之 新日本フィル R.シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」「英雄の生涯」
((9月9日サントリーホール) 上岡敏之がドイツから日本に拠点を移し、新日本フィルの音楽監督としてスタートする第1回のコンサート。そのわりには、花が飾られるといった華やかさはなく、ふだんの定期演奏会のような雰囲気。聴衆の入りも90%前後あるが、満席とはならない。...
View Articleパーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 「展覧会の絵」ほか
パーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 (9月15日サントリーホール) ヤルヴィN響の真価は、NHKホールではわからないことを痛感。サントリーホールで聴く彼らの演奏が世界のレベルに達していることを感じさせる。...
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