レオシュ・スワロフスキー(指揮) 東京都交響楽団 《第九》(12月24日・サントリーホール)
《第九》で指揮者が感激の余り泣くのを初めて見た。スワロフスキーは終わったとたん、顔を覆って泣いていた。確かに、終楽章の白熱した高揚は、これまで幾度となく聴いてきた《第九》の中でも、筆頭にあげても良いかもしれない。...
View Article藤田真央×VYO×チャイコフスキー 指揮:大森大輝(12月27日・杉並公会堂)
今年のチャイコフスキー国際コンクール第2位の藤田真央が、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番と第1番を一度に弾くというので、チケットは早くに完売。会場は若い女性を中心とした藤田ファンで埋め尽くされた。 プログラムはオール・チャイコフスキー。2部構成で、16時から交響曲第5番とピアノ協奏曲第2番。1時間の休憩の後19時からピアノ協奏曲第1番と交響曲第6番《悲愴》という、ハードな内容。...
View Articleトッパンホール ニューイヤーコンサート2020 (1月8日・トッパンホール)
今年最初のコンサート。 トッパンホールのニューイヤーコンサートは、これまでピーター・ウィスペルウェイ(チェロ)の無伴奏チェロ・リサイタルや、若手演奏家の意欲的なプログラムといったクラシック通を唸らせる凝った内容が多かったが、今回はヴィヴァルディ《四季》など華やかな作品が並んだ。しかし、めったに聴けないヨハン・ゴットリープ・グラウンの「ヴァイオリン協奏曲イ長調」がある点は、やはり一味違う。...
View Article下野竜也 読響 グバイドゥーリナ「ペスト流行時の酒宴」(日本初演)のインパクト
(1月15日・サントリーホール) グバイドゥーリナ「ペスト流行時の酒宴」を聴いて、最近読んだばかりの、現代音楽作曲家、望月京(もちづき みさと)が、自著「作曲家が語る音楽と日常」(海竜社刊)で述べた言葉を思い出した。 『前衛とは要するに、「なんだこりゃ!?」という未知のエネルギーを秘めた思想だ。』...
View Articleエサ=ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 庄司紗矢香(ヴァイオリン)
(1月23日・東京芸術劇場コンサートホール) なんという演奏会だろう。そこまでやるか?!そこまで行きますか?!という驚き、衝撃を受けた。...
View Article飯森範親 東京交響楽団 ラッヘンマン、アイネム、リーム、R.シュトラウス
(1月25日・サントリーホール) 入りは6割くらいだろうか。半分が現代曲なので、一般の音楽ファンには敷居が高いのかもしれない。それでも、あえてプログラムに乗せる東京交響楽団と飯森範親の意欲的な姿勢と意地に敬意を表したい。 飯森&東響は、昨年ツィンマーマンの歌劇「白いバラ」で衝撃を与えたが、今年のラッヘンマン、アイネム、リームは、そこまでの衝撃はなかった。...
View Articleラファエル・パヤーレ N響 アリサ・ワイラースタイン(チェロ)ショスタコーヴィチ・プログラム
(1月31日・NHKホール) ベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」から出たアーティストのひとり、パヤーレがN響の定期演奏会に初登場。オール・ショスタコーヴィチ・プログラムを振った。コンサートマスターはライナー・キュッヒル。 「バレエ組曲」は軽快で、シニカルな味わい。パヤーレの細身のスマートな体つきや、キビキビとした指揮ぶりは川瀬賢太郎に似ていると思った。...
View Articleフランソワ=グザヴィエ・ロト 東京都交響楽団(2月2日・サントリーホール)
ロトの指揮は、2018年6月12日東京オペラシティでの、手兵のレ・シエクルとのラヴェル《ラ・ヴァルス》が、驚天動地の演奏だったので、今日は期待していた。(その時のレヴュー↓)https://ameblo.jp/baybay22/entry-12383321015.html その期待は、裏切られることはなく、後半のラヴェル《ダフニスとクロエ》全曲の素晴らしい演奏で、完全に満たされた。...
View Articleフィリップ・トゥッツアー バッハ:無伴奏ファゴット・リサイタル
(2月12日・JTアートホール アフィニス) 2007年からザルツブルク・モーツアルテウム管弦楽団の首席奏者を務め、2008年、難関のARDミュンヘン国際コンクールで第2位に入賞したフィリップ・トゥッツアーのリサイタル。 プログラムは以下の内容。①J.S.バッハ:組曲 第1番 ト長調 BWV1007(原曲:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調...
View Articleライナー・ホーネック 紀尾井ホール室内管弦楽団(2月14日・紀尾井ホール)
今日の指揮者は、実質的にアントン・バラホフスキー(紀尾井ホール室内管、バイエルン放送響、コンサートマスター)だったと、言ってもいいのではないだろうか。 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲では、ホーネックは最初の出だしを指示しただけで、あとは、ほぼバラホフスキーにリードを任せ、自分のソロに専念していたように見えた。...
View Articleパーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 シュテファン・ドール(ホルン)(2月15日・NHKホール)
ヤルヴィN響のブルックナー「交響曲第7番」。技術的には何の問題のない、シンフォニックで、磨き抜かれた演奏。しかし、最初のチェロとホルンによる第1主題を聴いたとたん、違和感を持った。これがブルックナーの音なのだろうか?NHKホールのデッドな音を割り引かなければならないが、それでも、心に深く入ってくるはずのブルックナーとは違うと思った。...
View Articleチョン・ミョンフン 東京フィル ビゼー「歌劇《カルメン》」(演奏会形式)
(2月21日・サントリーホール)ビゼーの音楽の深さを今日ほど知らされたことはない。それを教えてくれたのは、チョン・ミョンフンと東京フィルの驚異的な演奏だ。それは、4年前に同じ組み合わせで聴いたプッチーニ「歌劇《蝶々夫人》」の破格の名演を凌駕していた。...
View Articleオーケストラ・ニッポニカ第36回演奏会「日本バレエ・舞踏史における1950年」
(2月23日・紀尾井ホール) 新型コロナウィルス感染拡大で次々とコンサートが中止される今となっては、貴重な機会だったオーケストラ・ニッポニカの演奏会。指揮は、鈴木秀美。アマチュア・オーケストラから、まとまりのいい響きと、切れの良いリズムを引き出した。...
View Article「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 Live from Muza!」10万人が視聴
約2週間ぶりのコンサート。3月8日、「音楽の友」の取材で、「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 Live from...
View Articleレオポルド・ヴァン・デア・パルス「交響曲第1番」上岡敏之新日本フィルが日本初演
レオポルド・ヴァン・デア・パルス(1884-1966)をご存じの方はまずいらっしゃらないのでは?ラフマニノフの親友であり、彼の勧めでグリエールに作曲を学びました。25歳で作曲した交響曲第1番は、1909年ベルリン・フィルにより初演され、25もの批評が出る大成功を収めました。...
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