カンブルラン読響 三浦文彰(ヴァイオリン)読響第203回土曜マチネーシリーズ
(1月6日、東京芸術劇場コンサートホール) 今年の聴き始めは、読響のニューイヤー・コンサート。曲目は良く知られた作品が並ぶ。しかし、カンブルランの指揮はとても丁寧、緻密で、軽く流すような演奏ではない。オペラ指揮者カンブルランの本領が発揮されたと思ったのは、オペラの序曲やバレエ音楽。...
View Article第15回東京音楽コンクール 優勝者コンサート
第15回東京音楽コンクール 優勝者コンサート(1月8日、東京文化会館大ホール)このコンクールは東京文化会館、読売新聞、花王(株)、東京都の4者が主催。新人演奏家の発掘、育成・支援を目的としている。過去の優勝者の中にはすでにプロの演奏家として活躍する著名な名前もある。例えば山下牧子(メゾソプラノ、第1回)、北村明幹(ピアノ、第3回)、成田達輝(ヴァイオリン、第5回)、与儀...
View Article飯森範親 東京交響楽団 アレクサンダー・ガヴリリュク(ピアノ)
(1月12日、サントリーホール) プロコフィエフ「古典交響曲」のテンポはゆったり。12型対向配置。東響の弦は響きが良く潤いがある。飯森の指揮はリズム感があまり感じられないが、第4楽章はきびきびとしていた。東響の木管はみなうまい。この楽章はフルートが肝だが、二人とも素晴らしかった。...
View Article上岡敏之 新日本フィル (第582回)トパーズ(1月13日、すみだトリフォニーホール)
ニュー・イヤーにふさわしくヨハン・シュトラウス・ファミリー・プログラムだが、知られざる曲が多い。最初と最後にラヴェルのワルツを置くという『他人と違う新しいことをやりたい』上岡らしさが全開。下記のうちラヴェル以外で聴いたことのあるのは、3と7、10だけ。1ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ2ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「踊るミューズ」op....
View Article大野和士 東京都交響楽団 第58回日本赤十字献血チャリティ・コンサート
(1月14日、サントリーホール) 毎年ソニー音楽財団が主催するチャリティ・コンサート。プログラムはニューイヤー・コンサートで、前半がオペラの抜粋、後半はストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)。指揮は大野和士、管弦楽は東京都交響楽団。会場は満席。...
View Article「音楽の友」恒例、コンサート・ベスト・テン2017
「音楽の友」恒例、コンサート・ベスト・テン2017に今年から投票しています。詳しくは、お買い求めの上、お読みいただけたらありがたいです。
View Article太田弦(指揮) 東京フィル 「オーケストラ・クライマックス!」
(1月21日、東京オペラシティコンサートホール) 東京フィルの人気シリーズ「休日の午後のコンサート」。完売、満員。人気の秘密は何だろう。出演者と司会の軽妙な会話、親しみやすいプログラム、昼間の時間帯でのんびり帰ることができることか。ほかのオーケストラも平日や土日の午後のコンサートを増やしているが、ナビゲート付きというのはないかもしれない。 司会はクラシック通の朝岡聡。指揮の太田...
View Article小林研一郎 日本フィル アレクサンドラ・スム(ヴァイオリン)
(1月27日、サントリーホール) シベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾いたアレクサンドラ・スムはモスクワ生まれ。ブロムシュテット、ネーメ・ヤルヴィ、ソヒエフといった巨匠指揮者との共演を重ね、スイス・小澤征爾国際アカデミーに長年参加、小澤の信頼も得ている。学校や病院、ホームレス施設、刑務所へ出向き演奏するなどボランティア、アウトリーチ活動にも取り組んでいる。...
View Articleマルクス・シュテンツ 新日本フィル トパーズ トリフォニー・シリーズ
(2月2日、すみだトリフォニーホール) ハイドンの2つの交響曲での新日本フィルの配置がユニーク。コントラバスとチェロがヴィオラを挟んで左右二組に分かれている。初めて見た。その効果は、正直よくわからないが、低音部が全体に混ざりあい、中央から聞こえてくるのも、不自然さはなかった。...
View Article小林研一郎 東京フィル スメタナ:連作交響詩「わが祖国」
「響きの森クラシック・シリーズVol.63」(2月3日、文京シビックホール大ホール) 小林研一郎の十八番スメタナ「わが祖国」。しかし、その演奏は素晴らしい部分と、そうではないところがあった。ひとつ気になったのは、フォルティシモの過剰さと音の濁り。...
View ArticleCD評 テオドール・クルレンツィス チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
CD評 テオドール・クルレンツィス ムジカエテルナチャイコフスキー:交響曲第6番変ロ長調 作品74「悲愴」 世評の高いクルレンツィスの「悲愴」をじっくり聴いた。どうしてこの演奏が良いのか、私にはまったく理解できなかった。録音レベルが低いのか、意識的にpppを作っているのか、音圧がかなり低い。ボリュームを大きめにして聴かなければならない。...
View Articleマルクス・シュテンツ 新日本フィル ジェイド サントリーホール・シリーズ
(2月8日、サントリーホール) シュテンツと新日本フィルの幸せな出会い。2月2日に続いて、二度目となる今日のコンサートで両者の信頼関係の深さ、相性の良さを、しっかりと確認できた。シュテンツには、今後も新日本フィルに来てほしい。...
View Article紀尾井ホール室内管弦楽団 ライナー・ホーネック(指揮) 小川典子(ピアノ)
(2月9日、紀尾井ホール) 110回定期演奏会から始まるコンサートのテーマは、ミュトス(神話)とロゴス(概念)。寓話や神話の領域である「ミュトス」と、これに対置されるものとしての論理や聖書の領域である「ロゴス」 ― その両方と密接なつながりがもって、中世から今日までさまざまな音楽が作られてきた。このシリーズは、今後、神話や聖書、観念に着想された古今の名曲の数々を取り上げていくとのこと。...
View Articleユーリ・テミルカーノフ 読響 ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)
ユーリ・テミルカーノフ 読響 ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)(2月10日、東京芸術劇場コンサートホール) ニコライ・ルガンスキーをソリストに迎えたチャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番で、テミルカーノフは懐の深い巨大な世界を築きあげる。雄大で雄渾。遅めのテンポで、堂々とした巨艦が進んで行くようだ。...
View Articleギドン・クレーメル リュカ・ドゥバルグ&クレメラータ・バルティカ 皇太子ご夫妻ご来場
サントリーホールでのコンサート。すぐ近く(二階正面中央1列目C2列24番)に座っていて、隣が2席空いていたので、まさか!と心配しましたが、下手の1列目にお座りになりました。ホッ(笑)。レビューは「音楽の友」4月号に書きます。 記事は下記をお読みください。https://www.47news.jp/national/1620675.html
View Article鈴木雅明 新日本フィルハーモニー交響楽団 メンデルスゾーン「交響曲第5番《宗教改革》」
メンデルスゾーン「交響曲第5番《宗教改革》」は名演。14型対向配置。ほぼノンヴィブラート。明晰な響き。引き締まった堅固な構造、骨格がしっかりとしている。 第1楽章のドレスデンアーメンの弦楽器の旋律から、宗教的崇高さ、敬虔さがあり、その後、激しい緊張感がある演奏が展開された。第2楽章スケルツォの伸びやかな歌も美しい。第3楽章の感情豊かな表現には、適度なロマン性がこめられる。...
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