広上淳一 日本フィル 小山実稚恵(ピアノ) (7月12日、サントリーホール)
「イギリス」をテーマにしたプログラム。バッハが入っている理由がわからなかったが、全部を通して聴いてみて音楽の流れが自然で、雰囲気的にもうまくつながっており、広上の意図が理解できた。 イギリス民謡をもとにしたジョン・ラター(1945-)の「弦楽のための組曲」は田園的な佳曲4曲からなる。第3曲「おお、ウェイリー、ウェイリー」のはかない愛のメロディの切なさが胸にしみる。...
View Article井上道義 読響 リュカ・ドゥバルグ(ピアノ)(7月16日、サントリーホール)
当初予定されたブラムウェル・トーヴェイ(バンクーバー響の音楽監督を18年続けた北米を代表する指揮者のひとり)が癌の診断を受け治療のために来日できなくなり、代わりに井上道義が指揮した。井上自身2014年咽頭がんでの闘病生活を乗り越えており、トーヴェイの代役は言うに言われぬ感慨があったのではないだろうか。...
View Article上岡敏之 新日本フィル マリアム・バタシヴィリ(ピアノ)
(7月19日、すみだトリフォニーホール) 聴衆からのリクエスト・コンサート。上岡敏之らしい繊細で音色やハーモニーがきめ細やかに表現され、柔らかで色彩感に富んでいた。...
View Articleフェスタサマーミューザのオープニング・コンサート 「ザ・ベスト・オブ・サンダーバード」
明日聴くフェスタサマーミューザのオープニング・コンサート。ジョナサン・ノットが東京交響楽団を指揮するバリー・グレイ:「ザ・ベスト・オブ・サンダーバード」の予習。ノットは4歳の時にテレビで夢中になりその後両親がカラー映画に連れて行ってくれ、その音楽に魅せられたのが音楽家への道の始まりとのこと。テレビを見ていなかったので、広上淳一指揮の音楽をApple...
View Article藤岡幸夫 東京シティ・フィル首席客演指揮者就任披露公演(7月26日、東京オペラシティ)
藤岡幸夫の東京シティ・フィル首席客演指揮者就任披露公演にふさわしい素晴らしい演奏だった。 1曲目はシベリウス「交響詩《大洋の女神》」。シティ・フィルはいつも熱い演奏を展開するが、今日はいつも以上に気合が入り、シティ・フィル特有の温かな音による弦と木管、金管の分厚い響きが湧き上がってきた。交響詩というイメージにぴったりのスエールの大きな表現だった。...
View Articleジョナサン・ノット 東京交響楽団 東響コーラス リゲティ《レクイエム》ほか
ジョナサン・ノット 東京交響楽団 サラ・ヴェゲナー(ソプラノ)、ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー(メゾ・ソプラノ)...
View Article「タンスマンへの感謝と抉別」 オーケストラ・ニッポニカ 野平一郎指揮 松平頼則とタンスマン
(7月21日、紀尾井ホール)プログラムの趣旨は日本を代表する作曲家の一人松平頼則(まつだいらよりつね・1907-2001)の初期管弦楽作品と、1950年以前の松平頼則に決定的な影響を与えたポーランド生まれの作曲家アレクサンドル・タンスマン(1897-1919)の作品を紹介すること。...
View Article紀尾井 明日への扉 ディアナ・ティシチェンコ(ヴァイオリン)
(7月25日、紀尾井ホール) ディアナ・ティシチェンコは1990年ウクライナ(現クリミア)生まれ。18歳でグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラの最年少コンサートマスターに選ばれた。2018年ロン=ティボー=クレスパン国際ヴァイオリンコンクールで優勝。...
View Articleコバケン名曲アラカルトII 小林研一郎(指揮)東京都交響楽団 村治佳織(ギター)
(8月1日、東京文化会館大ホール) これほど超満員の東京文化会館大ホールを見たのは初めて。小林研一郎による「ボレロ」など名曲に加え人気の村治佳織の出演が聴衆を惹きつけたのだろう。...
View Articleフェスタサマーミューザ2019 原田慶太楼 反田恭平 NHK交響楽団
(8月3日、ミューザ川崎シンフォニーホール)フェスタサマーミューザ2019。原田慶太楼がNHK交響楽団と初共演。人気の反田恭平とのガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」がスリリング。コンサートの最後に反田が再び登場、オーケストラのピアノを担当。アンコールのヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア...
View Article高関健 仙台フィルハーモニー管弦楽団 郷古 廉 (8月4日、ミューザ川崎シンフォニーホール)
フェスタサマーミューザに仙台フィルハーモニー管弦楽団が初登場。レジデント・コンダクターの高関健とチャイコフスキー「交響曲第4番」を熱演。音が温かくまとまりがあるオーケストラ。チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を弾いた郷古 廉(ごうこ...
View Article東京フィル ハートフル コンサート2019 <30th Anniversary> 黒柳徹子
(8月15日、東京芸術劇場コンサートホール)お話:黒柳徹子指揮:尾高忠明 毎年、終戦記念日の8月15日に、ユニセフ親善大使の黒柳徹子のトークと共に開かれる東京フィルの「ハートフル コンサート」が第30回を迎えた。収益はユニセフを通して、シリアからレバノンへ逃れてきた難民の子供たちをはじめ、助けが必要な子供たちに届けられる。毎回完売のコンサートで、今日も満席だった。...
View Article第14回 Hakujuギター・フェスタ 2019 音楽の旅~ドイツ・オーストリア 第一夜
【出演】荘村清志、福田進一(ギター)、河野克典(バリトン) Part1は荘村清志のソロ。最初はF.ソル:モーツァルトの「魔笛」の主題による序奏と変奏曲 op.9。プログラムに濱田滋郎先生が主題は原曲(第1幕でモノスタトスが歌う「おお、妙なる響きDas klinget so herrlich」)の旋律とかなり離れている、と書かれているように、ちょっと聞くだけでは《魔笛》とは思えない。...
View Article第14回 Hakujuギター・フェスタ 2019 音楽の旅~ドイツ・オーストリア 第二夜
(8月17日) 昨夜に続く第二夜Part1は福田進一のソロ。なんと1時間15分休みなしで弾きっぱなし。しかもいずれも技術的に高度な作品ばかり。演奏も素晴らしく、福田が「Hakujuギター・フェスタは毎年甲子園に出場するようだ」と言うだけあり、気合の入った充実した演奏が繰り広げられた。...
View Article読響サマーフェスティバル2019 《三大交響曲》 マルチェロ・レーニンガー
(8月18日、東京芸術劇場コンサートホール) 毎年8月恒例の読響《三大交響曲》。今年の指揮者は、1979年ブラジル生まれのマルチェロ・レーニンガー。読響には初登場。クルト・マズアに認められ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ニューヨーク・フィルのアシスタントを務めた。その後、ロサンゼルスのニューウェスト響の音楽監督、ボストン響のアソシエイト・コンダクターを歴任した。...
View Article小泉和裕、神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン 《田園》《運命》
(8月23日、横浜みなとみらい 大ホール) 常任指揮者の川瀬賢太郎が公演チラシの紹介文で書いている通り、「これぞ、ど真ん中直球勝負のプログラム。第5番と第6番を並べるのは指揮者にとってとても勇気のいること」だと思う。...
View Article尾高忠明 読響 アナ・マリア・ヴァルデラーマ(ヴァイオリン) メンデルスゾーンとチャイコフスキー
(8月25日、東京芸術劇場コンサートホール) 前立腺癌という病から、二ヶ月ぶりに復帰した尾高忠明(読響名誉指揮者)によるチャイコフスキー「交響曲第6番《悲愴》」。病が尾高に何らかの影響を与えたのでは、と思えるほど壮絶な演奏だった。詳しくは「音楽の友」(12月号)のコンサートレヴューに書きます。
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