ミンコフスキ指揮都響のブルックナー交響曲第0番
ミンコフスキ指揮都響のブルックナー交響曲第0番は本当に素晴らしかった。「演奏者の姿が消えて、ただ音楽だけが純粋に鳴っている」という体験はめったにないが、今夜はそれがあった。詳しくは明日書きます。
View Article「マルク・ミンコフスキ 東京都交響楽団 ブルックナー交響曲第0番」
(12月15日、サントリーホール) ミンコフスキと都響によるブルックナーの交響曲第0番は室内楽のような透明性と強固な構造を併せ持ち、響きは限りなくピュアで宝石のようであり、その奥深い世界は天上に輝く星のような高みがあった。ステージ上にはただ音楽だけが鳴っており、指揮者も演奏者も視界から消えてゆく。こういう経験は滅多にない。...
View Articleパーヴォ・ヤルヴィ N響 第九
(12月22日、NHKホール)60分を少し超える速いテンポの第九。しなやかで強靭、構成もしっかりしており、芯の部分は熱く、最終楽章では文字通り歓喜の合唱となって結ぶ。現代の感覚にマッチした奏者が一体となった見事な第九だった。弦はヴィブラートとノンヴィブラートのミックスのようで透明感があった。バッティストーニ&東京フィルも刺激的だったが、ヤルヴィも初めて聴くような驚きと発見に満ちた第九を聴かせた。...
View Article上岡敏之 読売日本交響楽団 ベートーヴェン第九
(12月24日、東京オペラシティ・コンサートホール)上岡もバッティストーニ、ヤルヴィと同じく60分を少し超える快速テンポの第九だった。しかし印象はずいぶん違う。バッティストーニは炎、ヤルヴィは高層ビル、上岡は流線型ジェット機とでも表現できるだろうか。...
View Article音楽ネットワークえん 第4回コンチェルト演奏会
(12月25日、渋谷区文化総合センター大和田<さくらホール>) 音楽ネットワーク「えん」は佐伯隆氏が主宰する1992年発足の個人宅やイベントスペースでサロンコンサートを行う市民グループ。今回はホールを借りオーケストラとソリストが共演する大規模な企画を催した。...
View Article2015年コンサート・ベスト
ベスト10に絞ることも、順位付けもできないくらい感動の質量は接近しています。ほかにも加えたいものがありますが、どうしても落とせないものを選びました。今年はピアノとオペラ演奏会形式の当たり年。ヤルヴィとN響の大躍進は日本のオーケストラ史を塗り替えるものでした。東京・春・音楽祭 エリーザベト・レオンスカヤ ピアノ・リサイタル~シューベルト、後期三大ソナタ(3月28日東京文化会館小ホール)「...
View Articleあけましておめでとうございます。
旧年中はベイのコンサート日記をご愛読いただき、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、1月のコンサートスケジュールです。お正月気分が抜けたころから始まります。重厚なプログラムも多く楽しみです。1月12日(火)19時@武蔵野市民文化会館大ホールピエタリ・インキネン指揮...
View Articleアンジェラ・ヒューイットが語るブーレーズの思い出
ピアニストのアンジェラ・ヒューイットさんがfacebookに投稿されたブーレーズの思い出を訳してみました。 I only met Pierre Boulez once, but it is a very vivid memory. It was in Cleveland at Severance Hall, and it must have been 10 years ago. My...
View Articleピエタリ・インキネン プラハ交響楽団 ニューイヤー・コンサート
(1月12日、武蔵野市民文化会館大ホール) 昨年からプラハ交響楽団の首席指揮者に就任したインキネン指揮によるニューイヤー・コンサート。前半はスメタナ「モルダウ」、シベリウス「フィンランディア」、ドヴォルザーク序曲「謝肉祭」、ブラームス「ハンガリー舞曲第1番、第5番」、ドヴォルザーク「スラブ舞曲第10番、第8番」というポピュラーなプログラム。...
View Article藤原真理 「誕生日にはバッハを」 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会
(1月17日、武蔵野市民文化会館小ホール) 誕生日にバッハの無伴奏チェロ組曲全曲を弾くという催しを15年続けている藤原真理。毎回曲順を変えるとのことだが、今年は第3・2・4番、第1・6番、第5番の順で、間に休憩を入れた。...
View Articleイザベル・ファウスト ~バロックとバルトーク無伴奏の夕べ~
(1月19日、王子ホール) イザベル・ファウストのソロ・リサイタル。プログラム前半はバロック時代の作曲家ヴィルスマイヤー、ギユマン、ビゼンデル、ビーバーの無伴奏作品で、これらはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータに影響を与えた。後半はバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタで、バルトークは作曲にさいしてバッハから多くのヒントを得ている。...
View Articleトーマス・ダウスゴー 新日本フィル シベリウスとニールセン
(1月22日、すみだトリフォニーホール) ダウスゴーはこれまで新日本フィルと都響で聴いて、そのダイナミックな指揮と音楽の核心をつかみとる手腕に感服した。今回も、シベリウスの≪組曲「レンミンカイネン」─ 4つの「カレワラ」伝説≫とニールセンの交響曲第5番で期待通りのツボを押さえた鮮やかな指揮を聴かせてくれた。...
View Article第17回ショパン国際ピアノ・コンクール2015入賞者ガラ・コンサート
(1月28日、東京芸術劇場コンサートホール)6位のドミトリー・シンキンから始まり、順位を上げていき、最後は優勝のチョ・ソンジンで締めるプログラム。入賞者に共通する点は、ひとつは美音、ふたつ目はテクニック、三つ目に若さからくるフレッシュな表現。もっとも2位のアムランは27歳と年長だが。...
View Article