シルヴァン・カンブルラン 読響 マーラー:交響曲第9番
(4月20日、サントリーホール) マーラーの交響曲第9番と聞くと、バーンスタインのように情念があふれるばかりに表現された演奏が頭に浮かぶ。あるいは、ヤンソンス&バイエルン放送響の限りない優しさで包み込むような演奏も聴いた。 カンブルランは、それらとは異なる。明るく幸せな、色彩感に富むマーラーの第9番だった。カンブルランはこの曲の何を訴えたかったのだろうか。正直なところ、よくわからない。...
View Articleザハール・ブロン(指揮・ヴァイオリン)、服部百音(ヴァイオリン) 日本フィル
(4月15日、東京芸術劇場コンサートホール)レーピン、ヴェンゲーロフ、樫本大進、庄司紗矢香、川久保賜紀、神尾真由子、三浦文彰といった人気ヴァイオリニストを育て、今やヴァイオリニスト育成に揺るぎない評価を確立しているザハール・ブロンが、8歳の時から面倒を見ている愛弟子、服部百音とともに日本フィル(コンサートマスター木野雅之)の「サンデー・コンサート」に登場した。...
View Article日本モーツァルト協会4月例会《ザラフィアンツ秘曲を弾く》
(4月26日、東京文化会館小ホール) モーツァルトの独立した小品や、モーツァルトが一部を書き残したものに他人が手を加えた曲、偽作の疑いのあるソナタなど、「秘曲」を集めたリサイタル。プログラムは以下の通り。幻想曲 ハ短調 K396ソナタ 変ロ長調 K498a幻想曲 ニ短調 K397ロンド イ短調 K511ロンド ニ長調 K485アレグロ ト短調 K312アダージョ ロ短調 K540...
View Articleアジス・ショハキモフ 読響 ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)
(4月29日、東京芸術劇場コンサートホール) 29歳の指揮者アジス・ショハキモフが読響の力を100%引き出したのは見事。爽快で、気持ちのいいコンサートになった。 ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)「交響詩《はげ山の一夜》」は、切れ味のある指揮でコーダの木管やハープの弱音もしっかりと聴かせた。ただ音楽の奥行きはあまりないという印象。...
View Articleアンティ・シーララ ピアノ・リサイタル (5月1日、すみだトリフォニーホール)
1979年フィンランド、ヘルシンキ生まれのアンティ・シーララ。その音楽は一言で言えば「クール」。スタイリシュなインテリアのようにクリーンな響きだが、少し無機質でもある。2003年リーズ国際ピアノコンクール第1位の実績は立派で、共演した指揮者もブロムシュテット、サロネン、ビシュコフといったビッグネームが並ぶ。...
View Articleベートーヴェン:歌劇『フィデリオ』(演奏会形式) チョン・ミョンフン東京フィル
(5月8日、サントリーホール)指揮:チョン・ミョンフン管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター:近藤 薫フロレスタン (テノール):ペーター・ザイフェルトレオノーレ (ソプラノ):マヌエラ・ウールドン・フェルナンド(バリトン):小森輝彦ドン・ピツァロ...
View Article高関健 東京シティ・フィル 清水和音(ピアノ)ニールセン「交響曲第6番《素朴な交響曲》」
高関健 東京シティ・フィル 清水和音(ピアノ)(5月9日、東京オペラシティコンサートホール) ムソルグスキー「交響詩《はげ山の一夜》」(原典版)は、リムスキー=コルサコフの編曲版と大きく異なり、悪霊たちが朝の鐘と共に消えるという結末もなく、荒々しいまま終わる。時間的にも長く、迫力は原典版のほうが勝る。高関健東京シティ・フィルの演奏は少し粗さがあったが、曲の面白さはよく伝わってきた。...
View Articleウカシュ・ヴォンドラチェック ピアノ・リサイタル(武蔵野市民文化会館小ホール)
(5月10日、武蔵野市民文化会館小ホール) 今年31歳のウカシュ・ヴォンドラチェックは、チェコ生まれ。2016年エリザベート王妃国際コンクール優勝。ウィーン・コンツェルトハウス、ベルリン・フィルハーモニーなどに次々デビューし、ウィーン響、ベルリン・ドイツ響、チェコ・フィルなど世界のオーケストラと共演。日本初リサイタル。...
View Articleフロリアン・ノアック ピアノ・リサイタル (武蔵野市民文化会館小ホール)
(5月14日、武蔵野市民文化会館小ホール) ピアニストにも様々なタイプ、志向があることをフロリアン・ノアックは1990年ベルギー生まれのフロリアン・ノアックの演奏を聴きながら考えていた。テクニックは申し分ないが、音楽を深く解釈し演奏するタイプとは少し違うことが、ラフマニノフ国際、ロベルト・シューマン国際の入賞はありながら、メジャーなコンクールでの優勝がない理由なのだろうか。...
View Articleヤデル・ビニャミーニ 読響 アルベナ・ダナイローヴァ(ヴァイオリン)
(5月15日、サントリーホール) 今日の指揮者、ヤデル・ビニャミーニは2年前の新国立劇場で、ジョルダーノ「歌劇《アンドレア・シェニエ》」で聴いていた。メリハリのある指揮で東京フィルを指揮したと、感想を書いていたが、オーケストラ・コンサートを聴いて、彼の長所がいっそう分かった。...
View Articleジョアン・ファレッタ 新日本フィル 山下洋輔(ピアノ)
(5月18日、すみだトリフォニーホール) バッファロー・フィルの音楽監督、北アイスランド・アルスター管弦楽団の首席指揮者を務め、北米のメジャー・オーケストラへの客演も多い女性指揮者、ジョアン・ファレッタの新日本フィル初登場。...
View Articleアレクサンドル・ラザレフ 日本フィル ストラヴィンスキー「ペルセフォーヌ」(日本初演)
アレクサンドル・ラザレフ 日本フィル ストラヴィンスキー「ペルセフォーヌ」(日本初演)(5月18日、サントリーホール)プログラム:プロコフィエフ:交響的協奏曲 ホ短調op.125ストラヴィンスキー:「ペルセフォーヌ」(日本初演)【台本:アンドレ・ジイド】指揮:アレクサンドル・ラザレフ辻本玲(チェロ) ポール・グローブス(テノール) ナレーション:ドルニオク綾乃...
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